片かな手旗信号

目次

  1. はじめに
  2. 歴史
  3. 原画の基本
  4. 原画
  5. 原画の組み合わせ
  6. 作字表
  7. 特別な文字
  8. 間違いやすい文字
  9. クイズ式練習
  10. 数字について
  11. 時刻のうち方
  12. 小数のうちかた
  13. 交信の注意
  14. 無意味文での練習
  15. 移動の約束

はじめに

スカウトの信号は、信号手や通信士を作るのが目的ではありません。人間とし て正常な、しかも人格と健康と技能そして奉仕の基本をきずくことをねらいと しています。手旗信号をすることで筋肉の運動を発達させること神経系等の働 きを活発にさせるリズム感覚を養うこと、身体と精神のバランスをとる作用を 増大することに役立ちます。

通信の信とは「まこと」を通じあうことです、うそや、まちがいを伝えてはな らない。これは信号がじょうずにになればなるほど心得なければならない大切 なことです。慣れてくると、相手に読めても読めなくても早うちをしたくなる が、それは通信ではありません。

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歴史

手旗信号は船乗りが考えたものといわれている。広い海の上ではいくら大声を だしても、船と船の間では、話し合うことはできません。風と波のために人間 の声は切れ切れになって流されてしまうでしょう。今なら無線で通信ができま すが、昔はなにか眼で見える合図にたよって通信をするほかに方法がなかった。 コロンブスやマゼランの航海記録にもあるように、帆のあげ方やマストの張り 綱などの見えやすい所に、いろいろな形のものをあげて、お互いに通信しまし た。海上での通信を一番必要としたのは、各国の海軍でした。それは通信の正 確さが海戦の勝敗を決定すると考えたからです。

日本の手旗信号は、明治26年(1893)ごろ、当時の海軍にいた釜谷忠道とい う人が部下の道本場声と共同して考案した。カタカナの裏文字を両手を使って 書いて見せたところ、ほとんどまちがいなく読み取れることがわかったので、 近距離の海ならば、実用信号として仕える自信をつけ、海軍に進言し正式に採 用された。

「海軍手旗信号法」というものになって、日清戦争に役立ったとい われている。

商船もこの信号法を使い始めました。昭和6年(1931)2月、政府告示によっ て正式に日本船舶手旗信号法と定められた。

外国は赤白対面の二色旗で左右同じ旗を使うが日本の手旗は右手は赤旗、 左手に白旗とを区別して使用する。

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原画(げんかく)の基本

  1. 手旗を持つとき、人差し指をのばして柄の上から押さえてにぎる。人差し 指と親指で旗がまっすぐになるようにし、肩から旗の先まで一直線になる ように心がける。特に手首がぐらつかないことが大切である
  2. 0原画から14原画まで15の基本動作を完全に覚える。0〜14のどの 数字を言われても、それに対応した原画がすぐに動作できるようにする。
  3. 大きな鏡にむかって原画の練習をうつして見ると、かっこうが悪いと相手 も読み取れないことがわかる。
    特に1,3,4原画は腕の曲がり具合でまぎらわしくなること、10,12原画は中 途はんぱな旗のあげ方をしたり、 ひじがまがっていると判別できなくなることを鏡で確認する。
    自分のくせを見つけるために他人に指摘してもらうことも必要である。
  4. まとめとして
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原画(げんかく)

原画は、0原画から第14原画まであります。この原画の組み合わせで文字を送信する わけですから、それ程複雑なものではありません。50音の練習は、原画を第1動から 第2動ときには第3動までを続けて行い、原姿(元の姿)に戻ります。

まず原画を覚えましょう。

原 姿

第 0原画 第 1原画 第 2原画 逆 2原画

第 3原画 第 4原画 第 5原画 第 6原画

第 7原画 第 8原画 第 9原画 第10原画

第11原画 第12原画 第13原画 第14原画

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原画の組み合わせ

  1. 手旗信号の表し方はカタカナの裏文字をうつことによって相手は正常に読 み取ることにある。
  2. カナ文字は原画の組合せで成り立つ。 例、アは9と3でなる。しかし組合せの番号がわからなくても、カナの書 き順どおり(裏文字に注意)うつことで、だいたいのカナ文字がうてる。
  3. 作字表(カナ文字の動作一覧表)を覚えるよりも体でおぼえる方がいいの ではないか。体操をするように、リズムをつける。
  4. 数人で練習するするときは、他人の真似をすることがあるので上達しない から、目かくしをして練習する。
  5. 最初はゆっくりと反復練習して、原画をきびしくする。なれるまで力がは いって、ぎこちない動作でも、調子がつくと力をぬくことになるが、手旗 をとめるところでは力をこめてとめるようにする。
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作字表

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特別な文字

  1. 特別なカナで本当の字と少しちがうもの。(数字は原画を表す)

  2. かわりの文字をあてるもの。

  3. まったく違うもの。

  4. 組み合わせどおりでも、赤のかわりに白をあげるもの。

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まちがいやすい文字

よく似ているもの、順序が逆なものなどがあって発進者があわてるとまちが える。以下はまちがえやすい文字例です。 以上のまちがえやすい文字を反復練習したら、次の文章を送信してみてくだ さい。できれば練習相手がいれば、読んでもらうことで自信がつくでしょう。 back Index

クイズ式練習

  1. 1原画から始まる文字はいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、8つ(ナ、ヒ、ヲ、サ、オ、エ、ス、ホ)

  2. 2原画から始まる文字はいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、2つ(ト、ワ)

  3. 3原画から始まる文字はいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、4つ(ノ、イ、ル、メ)

  4. 4原画から始まる文字はいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、1つ(ヘ)

  5. 5原画から始まる文字はいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、4つ(シ、ソ、ラ、ン)

  6. 6原画から始まる文字はいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、6つ(ニ、ミ、キ、テ、モ、ウ)

  7. 7原画から始まる文字はいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、5つ(レ、チ、ケ、ロ、ム)

  8. 8原画から始まる文字はいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、4つ(コ、カ、ヤ、ヨ)

  9. 9原画から始まる文字はいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、7つ(フ、ユ、ア、ヌ、セ、ネ、マ)

  10. 10原画から始まる文字はいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、1つ(ハ)

  11. 11原画から始まる文字はいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、2つ(ク、タ)

  12. 12原画から始まる文字はいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、2つ(リ、ツ)

  13. 一つの原画で文字を表すものはいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、7つ(ク、リ、ノ、ヘ、ニ、フ、レ)

  14. 三つの原画で文字を表すものはいくつあるでしょう?
    そして、何と何ですか?
    答え、5つ(オ、エ、ス、ホ、ネ)

退屈なクイズ式練習でした。我慢我慢。

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数字について

手旗信号で数字をうつには
  1. 発音どおりカタカナでうつ
    例、1=>イチ
    11 =>ジュウイチダン
    (数字にかぎらず「私は」=>「ワタシワ」となる)

  2. 原画の数字(0〜9)をそのまま利用する
    例、10=>1,0
    11=>1,1
    しかし、一原画で一つの文字として読むことができる原画のある、ノヘ ニレフです。
    そこで読みまちがいをしないように、数字の前後に数 字記号をかならずいれる。数字記号とは13原画である。13原画はだ く点を意味するので、数字記号としてうつときは、だく点記号より3倍 の長さだけ白旗をあげる。(例えば、だく点1なら数字記号は1,2, 3まで数えるぐらいの長さ)
    例、11団=>数字記号の13、1と1、数字記号13、ダ、ン

  3. 数字傍訓法といのがあるが、実用にむいていないので省略
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時刻のうち方

時刻を表すときは、4ケタの数字であらわします。はじめの2ケタは、1日 を24時間で示した時を、あとの2ケタは分をあらわします。 したがって午前午後や、単位の時分はうつ必要はありません。
例、午前0時30分=>0030
午前10時5分=>1005
午後7時15分=>1915となります
これは鉄道、バスの時刻表と同じ表現です
。 これら4ケタ数字をうつ前後には数字記号の13原画をうつことを忘れない でください。

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小数のうちかた

小数点をうつときは、コンマ記号をつかう。
コンマ記号の形は右の赤旗を右下に45度開いてあらわす。
この形は、コンマ記号と読点記号の二つの形をあらわしますが、区別するた めに数字の中でこの形を使えばコンマ記号としてつかう。数字以外で使う場 合は、読点をあらわす。
例、「ここから  5,8キロメートルの地点へいけ」
    =>「ココカラ  数字記号  5  コンマ記号  8  数字記号  キロメー
        トルノチテンヘイケ」

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交信の注意

  1. 服装
    夏になると白いものを着ることが多くなりますが、白旗が見えにくく感じ ます。その反対に赤系統の好きなものを着る人は、赤旗が見えにくくなる。 配色から考えるとボーイスカウトのユニフォームが適した服装と考えられ る。
    また送信者の周囲の服装と動きがじゃまになることがあります。送信者の 前はもちろんのこと、特に後に立たせないことも注意してください。大事 なことは送信者以外の人はやたら動かないで姿勢を低くすることです。 いずれにしてもネッカチーフをふくめて赤白系統色のものは距離が遠くな ると、手旗そのものに見えてくるときがあります。まぎらわしい色のもの は、はずす注意が必要です。

  2. 姿勢
    自分の立つ位置を確認して、足下がぐらつくような場所はさける。両足は 左右に少し開いて、楽な姿勢をとる。足下を気にするとまちがいにもとに なり、正確にうてない。

  3. 天候
    天気が晴れか、雨のあと空気がすんでいる時。太陽が出ているときは太陽 を背に受けて相手を見ると手旗の動きがはっきり見える。逆に曇っていて 薄暗いときや霧のなかは手旗が見にくいことはいうまでもありません。気 をつけたいことは逆光での読み取り、日の出日没時の太陽が赤い色のとき は赤旗の判別が難しいです。

  4. 地形と背景
    交信者がお互いに見通しのよい場所を選ぶことは言うまでもありません。 ところが見通しはいいはずなのに木の枝がじゃましたり、地表の凹凸や草 が手旗の動きを見えにくくする。
    川など水があるところでは、日光が水面を照らして反射光のために手旗の 動きをさえぎることもあります。
    街中で練習するとき背景建物の色彩、看板の文字や色にも注意して交信す るようにしましょう。

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無意味文での練習

文字を並べただけの意味のない原稿を作ってください。これを利用する意義は 文字を広く覚えるためと、どの文字でもすぐにうてるための練習です。 最初は15字ぐらいから始めて、20字、25字と増やしていく。意味のない 文章ですから、前文を覚えてうつことは難しいので、誰かに手伝ってもらって、 横から文章の文字を順に言ってもらう。

原稿を作成をするときは、意味不明文でも文中にはまちがいやすい文字や数字 をいれる。原稿どおりうてたかどうか受信できる相手も必要になります。一人 で練習することは大事ですが、正しく発信しているかどうか判断できる相手が 必要なことも考えよう。発信の練習で文字の形をうてるようになったら受信の 練習もしてください。やはり意味のない文から始めて短い文をゆっくりうって もらい、順次長い文を、そして速度を早めてもらう。

意味のある文章になってくると、分からない文字があっても前後の関係で全文 が判明することがあります。あきらめずに最後まで読み取りましょう。

練習速度は始めゆっくり、だんだん早くして通信章に適応する1分間に35字 をうてるようにしよう。

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移動の約束

手旗信号というのは文字を声や音で伝えることができないために白と赤の旗を 使って伝えることにあります。ところが文字をうつことができるのに、地形や 背景で読み取ることがむつかしいとき、さてどうしますか。大声をだしますか、 走っていって指示しますか。無駄ですね。ほとんどの人は声が届くところまで 行って送信位置の移動を伝えるでしょう。これでは手旗の通信の意味はなくな ることになります
。 そこで通信前に交信しやすいように場所を指定するために移動の約束をする必 要があります。これを知らないとせっかく文字をうつ練習をしてもお互いに通 信ができなくなります。
  1. 左右の移動(背景が影響しているとき)
    1. 移動してもらう合図をうつ。白旗で0原画である円をかく。
    2. 移動する側も1にこたえて白旗で円をかく
    3. お互いに応答を確認したら移動する方向に
      「右によれ」は白旗を水平にだす
      「左によれ」は赤旗を水平にだす
    4. 移動する側はは3の旗を確認したら、旗がおりるまで指示された方向 へ一歩ずつ移動する。この場合かならず一歩ずつ相手の旗を確認しな がら移動することに注意してください。
    5. 相手がよく見える所まで移動したら旗をおろす。
  2. 前後の移動(木の枝などが影響しているとき)
    1.2.は左右の移動と同じ白旗で円をかいてお互いに確認する。
    3.お互いに応答を確認したら移動する方向に
    「前にすすめ」は赤旗を上垂直にあげる
    「後にさがれ」は白旗を上垂直にあげる
    4.5.は左右の移動と同じ。
  3. 上下の移動(階段状で見やすい位置がある)
    1.2.は左右の移動と同じ白旗で円をかいてお互いに確認する。
    3.お互いに応答を確認したら移動する方向に
    「上にあがれ」は赤旗を上垂直にあげ、右水平までの90度内で旗 を振り続ける。
    「下にさがれ」は白旗を上垂直にあげ、左水平までの90度内で旗 を振り続ける。
    4.5.は左右の移動と同じ。
移動の約束はしたつもりでも、練習をしていないとうまく意思が通じませんの で相手があればぜひ試してください。お互いの全身が見える位置を選べば問題 はないかも知れません。でも「そなえよつねに」です。
〜〜 中村知執筆 「手旗信号上達法」より 〜〜

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